2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生医療用注入型マトリックスの設計と細胞組込法の開発
Project/Area Number |
04J02178
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 浩孝 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スキャホールド / 多孔体 / 炭酸含有アパタイト / ポリ乳酸 / 炭酸カルシウム / 細胞親和性 / 複合材料 |
Research Abstract |
骨再生医療用基質材料(スキャホールド)としては、生体吸収性、多孔性、細胞親和性が必要とされる。炭酸含有アパタイト(HCA)は、焼結アパタイトと同程度の骨芽細胞との親和性を示し、高い生体吸収性も持つことが期待されているため、新規生体材料としての応用が提案されている。そこで、HCAのスキャホールドへの応用を検討しているが、セラミックス単体では脆く、培養操作の際に、スキャホールドが崩壊する恐れがある。このような欠点を補うために、脆性破壊を示さないポリ乳酸(PLA)のような生体吸収性高分子で多孔体を作製し、その骨格表面をHCAコーティングすることを考えた。これまでに、PLAと生体吸収性である炭酸カルシウムからなる複合体(CCPC)を作製し、バイオミメテッィク法を用いて、その表面をHCAコーティングできることを報告した。本年度は、CCPCを用いて、HCAで骨格表面を覆った多孔体の開発を試みた。 粒子溶出法とバイオミメテイック法を組み合わせて、HCAがCCPCの骨格表面を覆った新規多孔体を作製した。多孔体は、大きな気孔径を持ち、気孔率は75%であった。多孔体に骨芽細胞を播種し、その侵入性を評価した結果、細胞が多孔体内部に侵入しやすい気孔構造を持ことがわかった。多孔体は、1.5MPa程度の圧縮応力に耐え、セラミックスのような脆性破壊は示さず、大きく変形できることがわかった。このことから、培養操作時のハンドリングにおいて、崩壊しないことが期待される。また、CCPC上にHCAが存在すると、骨芽細胞の接着性を向上させるだけでなく、破骨細胞による吸収も増加することを見出した。HCAがCCPC骨格表面を覆った多孔体は、骨再生用組織工学スキャホールドとして有用であると思われる。
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Research Products
(5 results)