2006 Fiscal Year Annual Research Report
動的不斉を利用した新型不斉配位子の開発:回転軸の制御と新規不斉反応場の創製
Project/Area Number |
04J02184
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
福澄 岳雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | モノフルオロメチル / フェニルスルホニル / パラジウム / フッ素 / フルオロメチル化 / イブプロフェン / ナプロキセン / カルボビル |
Research Abstract |
研究計画に従い,モノフルオロメチルアニオン等価体としてフルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの合成を行った。この試薬はフュニルスルホニル基の除去が可能なため,調整が困難なモノフルオロメチルアニオン等価体として使用でき,様々な反応に適応可能である。モノフルオロメチル化試薬であるフルオロビス(フェニルスルホニル)メタンは,ビス(フェニルスルホニル)メタンから,Selectfluorをフッ素化試薬に用いて簡便に合成できる。 ビス(フェニルスルホニル)メタンをパラジウム触媒によるアリル位の置換反応において使用した。反応条件を検討した結果,アリルアセテートに対し,不斉触媒としてホスフィノオキサゾリル配位子(5mol%)とアリルパラジウムクロリドダイマー(2.5mol%)を用い,塩基として炭酸セシウムを使用して,塩化メチレン中で反応させると,対応するフッ素化体が高収率,高エナンチオ選択的に得られることがわかった。 さらにこの反応を鍵反応に用い,含フッ素生理活性物質の合成を行った。先に得られたキラルフッ素化合物に対するオゾン酸化と,それに続く還元反応,マグネシウムを用いた脱フェニルスルホニル化反応,Jones酸化の4工程を経て,新規化合物である,フルオロメチルイブプロフェンの合成を達成した。同様に,フルオロメチルナプロキセンの合成も行った。さらに,フルオロカルバリボフラノース,Fluorocarbovir, Fluoroabacavirの合成も達成した。
|