2004 Fiscal Year Annual Research Report
能動型・受動型測器を用いたエアロゾル放射効果の時空間変動に関する観測研究
Project/Area Number |
04J02254
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 智明 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 大気放射 / リモートセンシング / エアロゾル / 能動型測器 / 受動型測器 / ダスト / 海塩エアロゾル / ライダー |
Research Abstract |
研究計画 本研究は、数値モデルの検証データの提供を主眼にした種々の測器による観測(地上、船舶、衛星)から、エアロゾルの直接・間接放射強制力の推定に重要となるエアロゾルの諸物理量の推定及びその空間的・時間的分布の把握を目的としている。そこで観測船「みらい」(独立行政法人海洋研究開発機構)に搭載された2波長偏光ライダー(独立行政法人国立環境研究所)による観測データに開発・改良したアルゴリズムを適用し、西太平洋上のエアロゾルの光学特性(消散係数およびオングストローム係数)の空間分布を明らかにする。 研究成果 観測船「みらい」に搭載された2波長偏光ライダーにより、日本近海太平洋上で観測されたデータから、消散係数とオングストローム係数だけでなく、さらに3つのエアロゾル種(水溶性・海塩・ダスト)の鉛直分布を推定するアルゴリズムの開発・改良を行った。このアルゴリズムを「みらい」観測データに適用し、従来はあまり推定されてはこなかった、エアロゾル種毎の鉛直分布を高い時間・鉛直分解能で、時間連続的に明らかすることができた。また、雲層下のエアロゾルの鉛直分布の推定を可能とするように、アルゴリズムの拡充を行った。これにより、従来はあまり見ることのできなかった、雲層下でのエアロゾルの動態を高い時間・鉛直分解能で時間連続的に明らかにすることができた。また、雲底下での雲とエアロゾルの相互作用に関する研究に貢献することが期待でき、雲解像モデルの比較・検証データの提供が可能となった。さらに、本アルゴリズムの開発により、従来はあまり行うことができなかった数値モデルによって再現されるエアロゾル種(硫酸塩、海塩、ダスト)毎の鉛直分布の比較が高時間分解能で可能となった。「みらい」データを利用して比較を行い、数値モデルにより再現されたエアロゾルの空間分布との一致が見られた。
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