2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02341
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
鹿本 希世美 (中山 希世美) 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 脊髄 / マウス / 発達 / KCC2 / エレクトロポレーション / GABA / 胎児 |
Research Abstract |
研究代表者は以前の研究で、歩行運動様リズムを形成する脊髄内神経回路網に関して、GABAおよびグリシンを介した興奮性のシナプス入力がその発達期に一過性に見られることを示した。このような胎生期の脊髄におけるGABAおよびグリシンの興奮性は、細胞内Clイオンを細胞外に汲み出すK^+-Cl^- cotransporter isoform 2 (KCC2)の発現が発生初期の細胞では少ないために起こることが知られている。本研究では、発達期のGABAおよびグリシンによる興奮性を抑え、神経回路の形成におけるこれら興奮性応答の役割を明らかにすることを目的に、分子生物学的手法を用いて脊髄内ニューロンにおけるKCC2の発現レベルを変更する手法を確立した。歩行運動の神経回路網が形成される時期のマウス胎児の脊髄中心管に、KCC2遺伝子を組み込んだGFP発現プラスミドベクターを子宮外から微少ガラス管を用いて注入し、エレクトロポレーションによって、分裂過程にある脊髄ニューロンにKCC2遺伝子を導入した。遺伝子導入の2日後に脊髄を摘出し、免疫染色を行ったところ、GFPを発現している細胞でKCC2の発現も同時に見られた。さらに、このようにKCC2を強制発現させたニューロンにおいて、KCC2が機能的に正常に働いているかどうかを調べるため、グラミシジン穿孔パッチクランプレコーディングを行った。その結果、KCC2を強制発現させたニューロンでは、GFPのみを発現させたニューロンに比べて、GABA投与時の反転電位が30mV過分極側にシフトしていた。これらの結果から、エレクトロポレーションによってKCC2遺伝子を導入することによって、発達過程にある脊髄ニューロンにKCC2を強制的に発現させ、そのニューロンのGABAやグリシンに対する応答を変化させることができることが示唆された。
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Research Products
(2 results)