2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02343
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
城口 克之 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 光ピンセット / 一分子観察 / ミオシン / アクチン / カルモジュリン / 微小管 / 分子モーター / 運動機構 |
Research Abstract |
ミオシンVを用いて,リニアモータータンパク質の力発生機構を調べている.ミオシンVは二本の長い足(通常はヘッドとネックといわれる部位)をもち,アクチンフィラメント上を一方向に運動する.足を構造変化させて力を発生し,運動を可能にしているという説が現在有力であるが,直接証拠はまだない.本研究では,ミオシンVの足に棒状プローブを結合させて足の動きを直接見ることにより,力発生を本当に行っているのか,また,いつどの部位がどのタイミングで力発生を行っているのかを明らかにすることを目的としている. 複数の手法を試した結果,ミオシンVの足に微小管(棒)を結合させることに成功した.ミオシンVの足に結合するカルモジュリンを,微小管に結合するタンパク質と融合させた.この融合タンパク質を,ミオシンVの足に結合しているカルモジュリンと入れ替え,蛍光ラベルした微小管をミオシンVの足に結合させた. ミオシンVがアクチンフィラメント上を運動するときに,足に結合した棒が床にぶつかってミオシンVの運動を阻害しないように,床の上に固定した二つのビーズの上にアクチンフィラメントを橋渡しにした(アクチンブリッジ).しかし,棒が結合したミオシンVは溶液中でのブラウン運動が抑えられ,アクチンブリッジにほとんど近寄ってこなかった.そこで,アクチンブリッジの両端に結合したビーズを光ピンセットで捕捉し,アクチンブリッジを溶液中で自由に動かせるようにした.その結果,棒が結合したミオシンVとアクチンフィラメントを頻度よく相互作用させることができた. 少数例だが,ミオシンVがアクチンフィラメント上を動いているときに,片足に結合していると考えられる一本の棒が,安定した二つの角度に交互に滞在する様子が観察された.これは初めてミオシンVの運動中の足の動きを鮮明に捉えた結果である可能性があり,さらにデータを得るため,研究を進めている.
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Research Products
(2 results)
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[Book] Adv.Exp.Med.Biol
Author(s)
Kazuhiko Kinosita, Jr., M.Yusuf Ali, Kengo Adachi, Katsuyuki Shiroguchi, Hiroyasu Itoh
Publisher
Plenum Pub Corp(発表予定)