2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラテンアメリカ周緑農村へのグローバリゼーションの影響と村落再編に関する研究
Project/Area Number |
04J02389
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中田 英樹 近畿大学, 農学部, 特別研究員PD
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Keywords | グローバリゼーション / マヤ系先住民文化 / 先住民問題 / 内戦(における民族虐殺) |
Research Abstract |
(A)2004年度において研究代表者は、当初の申請計画通り、中米グァテマラ共和国のソロラー県に位置するアティトラン湖湖畔村落サン・ペドロ・ラ・ラグーナ村にて現地調査を展開した。当初の計画にほぼ沿う形で、調査の焦点を次の三点に置いた。1.湖をめぐる「コーヒー精製用水資源」と「観光資源」との間の拮抗関係/2.「非先住民文化」としてのコーヒー栽培と「(トウモロコシ)マヤ文化」を軸にした観光産業の拮抗関係。/3.コーヒー栽培の導入と、村の共有地消滅プロセスとの関係。 いずれも十分なデータが収集できたが、現在、大幅な論理展開の再検討を強いられいる。世紀転換期からのコーヒーの価格暴落が昨年度から持ち直したことによって、村人たちのコーヒー栽培の姿勢や「哲学」に、きわめて大きな変化が見られているからである。従って現在、現地の研究者のアドバイスを参照しつつ、理論的枠組みを焼き直すとともに、成果の発表に向けて鋭意執筆中である。 (B)一方で、「研究発表」欄に記した諸成果を発表した。これら執筆作業は当初の予定にはなかったが、全国的に流通する雑誌や著作であり、次の理由により、本年度に作業を前倒しした。1.いずれもグァテマラ内戦をテーマにしたもので、これは研究者が現在取り組んでいる学位論文の単著での完成という課題に照らし合わせたとき、学位論文では不十分であった論考であること。2.このテーマをめぐる迅速な成果の発表は我が国におけるラテンアメリカ研究が最も必要としていること。 いずれも国立図書館などでの膨大な資料を結果的には掻い摘む程度の水準にとどまっており、この(B)に関する研究実績も、いまだ草稿・試論の域を超えるものではない。しかし、次年度も引き続き作業を敷衍させ、より質の高い論文として学会誌(英語あるいはスペイン語圏)での発表へとつなぐための準備作業としては、十分な意義があったと思われる。
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Research Products
(3 results)