2004 Fiscal Year Annual Research Report
GaN:P系結晶による窒化物半導体の転位低減に関する研究
Project/Area Number |
04J02447
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
月原 政志 徳島大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | MOCVD / GaN / LED / 転位 |
Research Abstract |
GaN系発光デバイスは1993年に高輝度青色発光ダイオードが実現して以来急速に開発が進んでいった。結晶性ではGaAsなどに代表される他の化合物半導体に圧倒的に劣りながらも高効率の発光デバイスが実現されていた。しかしながら、400nm以下の紫外発光デバイスには、低転位化が必要になってきた。そこで、MOCVD装置を用い、GaNP混晶を用いた転位低減を行い高効率紫外光デバイスの作成をめざした。 GaNP混晶を用いたGaN結晶中の転位低減効果について調べた。高温GaN成長中にGaNP中間層を用いることにより、GaNPが選択的に転位に取り込まれることがわかった。転位周辺と、それ以外の部分において組成変調が起きることによりGaNの3次元成長が活性化することがわかった。3次元成長により転位が、横方向に伝播し他の転位とループを形成することにより転位密度が減少することができた。転位密度は1×10^9個/cm^2から6×10^8個/cm^2に減少した。低温バッファGaNPを用いることにより、初期成長時の核発生の制御が行われることがわかった。それによりGaNの3次元成長が活性化されて、サファイアとGaNとの格子不整合により発生した転位を1箇所に集め、転位の低減が行われた。転位密度は1×10^9個/cm^2から5×10^8個/cm^2に減少した。この試料上に発光波長375nmの紫外LEDを作成したところ、同時に成長した低温バッファGaNを使用した試料(転位密度は1×10^9個/cm^2)の約2.3倍の発光強度を示した。紫外LEDへの転位低減の効果を確認できた。
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Research Products
(1 results)