2005 Fiscal Year Annual Research Report
里山林の断片化が生物多様性と生態系機能に及ぼす影響:鳥による種子散布パタンの解明
Project/Area Number |
04J02522
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 一也 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 断片化 / 里山林 / 種子散布 / 果実食鳥類 / 果実生産量 / 豊凶 |
Research Abstract |
森林の断片化が森林動態における鳥散布の効果に与える影響を明らかにするため、果実・種子の生産量、食害量、果実除去・種子散布量、実生の定着率、鳥の飛来数といった鳥散布パラメーターを導きだすべく次の4つの個別調査を行った。1.果実量と鳥数とそれらの季節動態:結実種数・個体数、果実生産量が著しく少なかった昨年度にくらべて今年度は非常に多種多量の果実が結実した。この傾向は調査地とした森林パッチ全てに共通し、調査地域では果実の豊作年であったと考えられる。他方、果実食鳥類の総種数・総個体数は昨年度と大きく変わらなかったが季節パタンに違いがみられた。2.種子散布者の特定:今年度は豊富な果実資源を背景に果実を採餌する鳥種が頻度高く観察され、昨年度の記録と併せて各植物種の種子散布者が明らかになりつつある。3.種子の散布量と食害量の推定:計180個のトラップを設置し、結実が本格的になる9月から12月の降雪時まで回収を行った。現在乾燥サンプルの仕分け・種子同定・食害確認を進めている。4.発芽種子・実生・幼木の季節動態:計40個の調査枠において931実生を対象に6月と10月に追跡調査を行った。以上からこれまでに明らかになったことは、森林パッチ面積の大小と果実密度に相関はない、小面積の森林パッチでは果実食鳥類の飛来数が少ないがその面積効果に加えて森林パッチ内の総果実量の効果が見いだされている、果実食鳥類の出現は果実の豊凶年によって鳥種によってパタンが異なる、の3点が明らかとなり小面積の森林パッチにおける散布種子の減少が推測されると同時にその散布パタンは果実の豊凶によって変化することが推測された。
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