2006 Fiscal Year Annual Research Report
真皮層由来性血管幹細胞の同定及び幹細胞ニッチの解析-再生医療に向けて
Project/Area Number |
04J02528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 秀人 大阪大学, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 血管 / 幹細胞 / 皮膚 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 毛 |
Research Abstract |
幹細胞についての研究は、骨髄における造血幹細胞を中心に行われてきたが、近年、種々の臓器に臓器特異的な組織幹細胞が存在することが明らかになってきた。我々は血管の幹細胞が皮膚組織中に存在し、組織修復などにおいて重要な役割を果たしていると仮定し、この血管幹細胞を単離し表現型の解析を行った。まず、研究代表者が注目したのが幹細胞マーカーとして一般的に用いられているSca-1(Stem cell antigen-1)である。皮膚組織の細胞中でSca-1を発現している細胞をセルソーターで回収し、これを内皮細胞増殖用の培地中で培養したところ、内皮様および平滑筋様細胞の両者が発生することから、本Sca-1陽性細胞中に血管幹細胞が存在することが示唆された。 そこで、これら血管幹細胞の発生、維持機構について詳細にするため、組織幹細胞の維持機構および分化機構における種々の転写因子の機能解析を行っている米国Vanderbilt大学の久米努先生との共同研究奇開始し、さらなる検討を行った。久米グループが着目している転写因子Foxcは皮膚でも発現を確認しており、またFoxcは血管系への分化を制御している可能性もある。そこで、皮膚の血管幹細胞の分化段階においてFoxcの発現を解析するため、Foxcプロモーター制御下で蛍光マーカーを発現するトランスジェニックマウスの作成に着手した。Foxcのような転写因子群は、一般的な遺伝子プロモーターとは異なり、エンハンサーやデハンサー配列が本遺伝子の遠位に存在する可能性を考慮し、BAC(Bacterial Artificial Chromosome)を用いた蛍光マーカートランスジェニックマウス(セミノックインマウス)の作成に着手した。本研究期間において、本トランスジェニックマウス作成用の遺伝子コンストラクトを終了した。
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