2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02758
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福田 勝利 東京理科大学, 応用化学科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノシート / in-plane回折 / 全反射蛍光XAFS / 構造解析 |
Research Abstract |
16年度の研究活動ではナノシートの二次元周期構造を解析するために、まず放射光対応型in-plane回折装置を開発し、放射光施設への搬入・設置を行った。これによって、回転対陰極型X線管球(Cu-Ka)と多層膜ミラーを用いた実験室系に比べ、1/10の測定時間で8倍のピーク強度を稼ぐことができた。また、波長を変更することによって、ナノシートの多くの面内回折線を検出することができた。このパターンに基づき二次元構造を精密化したところ、剥離する前のバルク体の構造解析の結果と比較できる精度を持った格子定数を得ることに成功した。さらに、偏光依存全反射蛍光XAFS法をチタニアナノシート単層膜に適用することによって、回折法では評価できないシート法線方向の構造を決定することができた。両結果から、チタニアナノシートは剥離現象に伴ってシートの面積が2%程度縮小し、シートの厚みが4%程度増加することが明らかになった。以上、チタニアナノシートの研究によって、本研究の目的である「二次元ナノ物質に対する構造解析法の確立」を行うことができた。この成果によって、ナノシートと元の母相のホスト層の構造を初めて定量的に議論することが可能となった。 さらに、この構造解析法をこれまで構造が明らかにされてこなかった各種ナノシートに適用した。これら構造解析の結果から、各種ナノシートの素性が明らかにされると共に、ナノシートの剥離に伴う構造の変化が一様ではなく、元の母相のホスト層の構造と組成に依存して固有の変化を示すことが明らかとなった。 今後、この構造解析法を発展させ、ナノシートで構築した材料の評価や機能性を利用したin-situ実験などを通して、本研究の主要な目的であるナノシートの物質像を明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Photoemission and x-ray absorption study of the two-dimensional triangular lattice superconductor Na0.35CoO2-1.3H2O2004
Author(s)
M.Kubota, K.Takada, T.Sasaki, H.Kumigashira, J.Okabayashi, M.Oshima, M.Suzuki, N.Kawamura, M.Takagaki, K.Fukuda, K.Ono
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Journal Title
Physical Review B 70
Pages: 012508-1-012508-4
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[Journal Article] Chemical composition and crystal structure of superconducting sodium cobalt oxide bilayer-hydrate2004
Author(s)
K.Takada, K.Fukuda, M.Osada, I.Nakai, F.Izumi, A.D.Ruben, K.Kato, M.Takada, Y.Sakurai, E.Muromachi, T.Sasaki
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Journal Title
Journal of Materials Chemistr 14
Pages: 1448-1453