2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02786
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
草野 博彰 東京理科大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 師部 / 遺伝子発現 / 網羅的単離 / イネ / レーザーマイクロダイセクション / 限定単離 / NACファミリー / スフィンゴ脂質 |
Research Abstract |
植物の師部は、光合成産物の輸送やシグナル分子の輸送など、植物の生育や生存にとって重要な機能を果たしている。師部の機能を遺伝子のレベルで解明することで、遺伝子工学的に様々な応用が期待できる。しかし、これまでに師部をターゲットとした発現遺伝子の単離と解析は行われてこなかった。この研究は、師部組織を材料として発現遺伝子を網羅的に単離し、その遺伝子の発現を解析することで、師部の機能の解明を試みるものである。 本年度は、師部細胞から単離された未解析cDNAクローンの配列を解析し、これらが10個の遺伝子の断片DNA配列を含んでいたことを明らかにした。また、これらの遺伝子の組織特異的発現を解析したところ、一部の遺伝子については師部での優先的な発現が認められた。 そのうち、ONAC300と名づけられた遺伝子はNACファミリーと呼ばれる転写因子遺伝子群に属することが明らかになった。また、NACファミリー内ではONAC300は茎頂分裂組織の形成などに関わる遺伝子群と近縁であった。さらに、発現解析の結果ONAC300が師部と茎頂分裂組織で優先的に発現することが明らかになったため、この遺伝子は師部と茎頂分裂組織における遺伝子発現の制御に関わっているものと推察される。この研究に関する論文はMolecular Genetics and Genomicsに掲載が決定している。 また、師部細胞から単離されたスフィンゴ脂質C4ハイドロキシラーゼ遺伝子の構造と発現について解析を行った。その結果、イネでこの遺伝子は5遺伝子からなる多重遺伝子族を構成し、それらのうち4種はイネの葉、根、茎、穂のすべての器官で発現することを明らかにした。さらに、この遺伝子の機能を解析するために形質転換植物の作出を行った。 次年度は、本年度までに得られた成果を踏まえて師部から単離された遺伝子の機能を解析し、師部の未知なる機能の解明を目指す。
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Research Products
(1 results)