2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02861
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Research Fellow |
橿淵 めぐみ 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ロボット / 心理的影響 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では、ロボットを用いた教育プログラムの開発とその効果評価を目的とするが、ロボットは非常に新奇なものであるため、学習者は、既存の教材とは全く異なった反応をする可能性がある。そこで平成17年度では、このようなロボットに特徴的なコミュニケーション様式についての情報収集を目的とした実験研究を行なった。 具体的には、出力チャネル条件を5水準(言語のみ・言語+LED・動作+効果音・言語+LED+動作+効果音・ボディタッチ)、相互作用性条件を2水準(有・無)とする、5×2の10種類のロボットを作成し、ロボットの特徴により、心理変数や行動変数、好悪評価がどのように異なるかを検討した。 本研究では、幅広い年齢層・属性の被験者を集めるために、愛・地球博での現場実験を行なった。さらに、測定内容についても、心理変数だけでなく、相互作用場面の行動分析も取り入れ、詳細な分析を行なった。 方法 被験者:愛・地球博内「ロボットステーション ロボットふれあいルーム」への来場者643名 (男性265名、女性378名)。年齢範囲は10〜75歳。 手続き:被験者に、ロボットとの接触の機会を与え、その間の行動を測定・コード化した。 接触終了後に、質問紙への回答を求めた。 結果 出力チャネルと相互作用性の有無を独立変数、行動・心理変数のそれぞれを従属変数、年齢・性別を共変量とする共分散分析を行った。主要な結果は、以下のとおりであった。 出力チャネルの効果については、言語的コミュニケーションのほうが相互作用を行う時間が長いこと、ロボットの出力チャネルが多いと、接触による相互作用が少なくなること、どのチャネルを使って相互作用するかは、ロボットの出力チャネルの影響が強いことなどが示された。 相互作用性の効果については、相互作用できるほうが、相互作用の量や心理変数の多くはポジティブであるが、最終的な評価にはそれほど大きな影響を与えないことなどが示された。
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