2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストリッカーツ型評価とその非線形クライン・ゴルドン方程式の適切性への応用
Project/Area Number |
04J02937
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
加藤 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | クライン・ゴルドン方程式 / ストリッカーツ型評価 / シュレディンガー写像 |
Research Abstract |
非線形項が未知関数uの巾乗|u|^pで与えられる非線形クライン・ゴルドン方程式の初期値問題の時間大域的な適切性、特に時間大域解の存在について考察した。クライン・ゴルドン方程式は場の理論の中で最も良く取り上げられるモデルであり、その古典場の数学的実現については40年以上の歴史を有している。上記の非線形クライン・ゴルドン方程式の小さな初期値に対する初期値問題においては、非線形項の指数pがp>1+2/nを満たすとき時間大域解が存在することが知られている。私の研究目的は上記の初期値問題において、非線形項の巾が臨界的な場合、即ちp=1+2/nのときに時間大域解の存在を考察することである。 今年度は、上記の問題を肯定的に解決する鍵となると思われる、クライン・ゴルドン方程式に対する双曲面に基づいたストリッカーツ型評価について考察した。この評価に関しては今の所具体的な結果は得られていないが、Keel-Taoが端点での通常のストリッカーツ型評価を示した双線形評価を用いる手法が適用できるのではないかと思われ、現在研究中である。 一方、この研究に関連して、ストリッカーツ評価の変形版ともいえる評価の応用により、シュレディンガー写像の初期値問題の適切性に関する結果を示す事が出来た。
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Research Products
(1 results)