2004 Fiscal Year Annual Research Report
負イオン磁化プラズマ中フローシアー不安定性の体系的解明
Project/Area Number |
04J02954
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市來 龍大 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フロー速度シアー / 不安定性 / 負イオンプラズマ / ドリフト波 / 静電波 |
Research Abstract |
1.現有の完全電離カリウム(K)プラズマ源を用い,六フッ化硫黄(SF_6)ガスを使用した負イオンプラズマの生成を行った.沿磁力線正イオンフロー速度シアーのみを選択的に生成・制御するためには,分割型Kイオン源に加え非分割型の電子源が必要である.電子源として酸化物熱陰極を使用したところ,SF_6ガスの導入により熱陰極からの熱電子放出が抑制されることを観測した. 2.新たに作成した六硼化ランタン熱陰極を用いた結果,SF_6ガスの導入による熱電子放出の抑制が起こらず,安定した負イオンプラズマの生成及び負イオン-正イオン密度比の制御が可能となった.また,プラズマ中の空間電位の半径方向一様化による,負イオン-正イオン密度比の空間一様性を達成した.すなわち,負イオン濃度の空間分布といった複雑な要素を有さない,基礎実験のための理想的な実験系の構築に成功した. 3.分割型ホットプレート異バイアス印加法により,沿磁力線正イオンフロー速度シアーの発生及び高精度の制御を負イオンプラズマ中において達成した.これは,イオンエネルギーアナライザーを用いたイオンフローの観測により実証した. 4.この負イオンプラズマ中において,沿磁力線正イオンフロー速度シアーにより特徴的に励起される低周波揺動の観測を行った.揺動は主に2種類の周波数の成分(波動1:〜1kHz,波動2:〜5kHz)が検出された.波動1はプラズマ半径方向の広い範囲で観測されたが,波動2は主に密度勾配が大きなプラズマ周辺領域において顕著に観測された.負イオン-正イオン密度比の上昇に伴い,波動1はフロー速度シアー強度に依らず安定化する傾向を見せたが,波動2はシアー強度の小さい領域において不安定化する傾向を見せた. 5.磁化プラズマ中のフロー速度シアー駆動不安定波動の運動論的解析を行い,波動1はケルビン-ヘルムホルツ不安定性,波動2はドリフト波不安定性である可能性を示した.
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Research Products
(3 results)