2004 Fiscal Year Annual Research Report
マンガン‐IVB族ハーフメタル相/絶縁体界面原子対設計による高スピン偏極状態の実現
Project/Area Number |
04J02957
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
芦澤 好人 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハーフメタル / スピン偏極率 / 閃亜鉛鉱型 / ウルツ鉱型 / MnTe / トンネル磁気抵抗効果(TMR) / 強磁性トンネル接合(MTJ) / スパッタリング法 |
Research Abstract |
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)を始めとするスピン制御薄膜論理デバイスの基礎物理現象であるトンネル磁気抵抗(TMR)効果を十分に解明・理解することは、物理的・工学的に非常に重要なことである。一般に、TMR比を向上させるためには極薄絶縁体障壁両端の強磁性層のスピン偏極率を高めることが有効であると考えられているにもかかわらず、絶対零度においてスピン偏極率が100%となるハーフメタル強磁性材料を用いた強磁性トンネル接合膜に関する実験報告では、室温において高TMR比は得られていない。この原因としてハーフメタル材料自身のスピン偏極率が低下している可能性が考えられるため、本研究ではスピン偏極率を低下させないハーフメタル材料およびハーフメタル/絶縁体界面の実現を目的としている。 平成16年度は、ハーフメタルを示すことが理論的に予見されている閃亜鉛鉱型構造もしくはウルツ鉱型構造を有するMn系薄膜の安定合成プロセスの確立を目的として、材料種による構造安定性の検討を行った。 材料種をMn-IVB族に限定せずMn系二元材料において閃亜鉛鉱型構造およびウルツ鉱型構造の合成を試みた。その結果、世界に先駆けてMn-Te系においてc面配向ウルツ鉱型薄膜の作製に成功した。特にエピタキシャル成長を利用する必要がないことは。そしてこれまで知られていなかったウルツ鉱型MnTe相の磁性が反強磁性であることが判った。このウルツ鉱型MnTe相をウルツ鉱型構造安定形成因子として用いることにより、第三元素を添加したMn(Te,IVB)相の合成を検討した結果、VIB族としてSi、Geの場合それぞれ7at.%、13at.%までの単相合成に成功している。
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