2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス吸着タンパク質と光触媒の複合化による水中病原ウイルス除去・不活化技術開発
Project/Area Number |
04J03030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐野 大輔 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウイルス吸着タンパク質 / 水中病原ウイルス / ウイルス除去技術 / タンパク質合成 / タンパク質固定化 |
Research Abstract |
ウイルス吸着タンパク質(Virus-Binding Protein : VBP)は研究代表者が活性汚泥中から分離することに成功した水中病原ウイルスに対する吸着親和性の高いタンパク質であるが,このVBPを用いた水中病原ウイルス除去技術を開発することが本研究の目的である.平成16年度ではVBPの大量合成を実現するため,特に大腸菌破砕後のVBP精製におけるアフィニティクロマトグラフィのスケールアップを行った.VBPを効率よく精製するための投入バッファー,洗浄バッファー及び溶出バッファーの組成を決定し,約10倍のスケールアップを行う事に成功した.本年度においては,大量合成したVBPのウイルス吸着能を確認する実験を行い,以下に示す成果を得た. まずタンパク質のリジン残基を固定化する事が可能なゲルにVBPを固定化して,ポリオウイルス吸着実験を行った.ゲルにVBPが固定化されている事は,固定化操作前後のバッファー中におけるVBP濃度をSDS-PAGEで確認する事により行った.VBP固定化ゲルにポリオウイルスを添加し,1時間の撹拌後,上清中に残留したポリオウイルスの濃度をBGM細胞を用いたプラック法により測定した.その結果,ゲルに固定化したVBPは,同じくゲルに固定化したポリオウイルス抗体と同等の吸着活性を有することが確認された.以上の結果から,抗体に比べて安価で迅速に得られるVBPがウイルス除去技術におけるウイルス吸着材として有効利用できることを示す事に成功したと言える.
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Research Products
(6 results)