2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現情報・ゲノム情報に基づく動物の眼の多様性の進化機構に関する研究
Project/Area Number |
04J03046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小倉 淳 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 眼の進化 / 眼の多様性 / 種の多様性 / ゲノム進化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
先カンブリア期において生物がどのような遺伝子群を持っていたかを明らかにし、それらの遺伝子がどのような進化過程を経てきたかを解析することで、眼の多様性の進化機構を明らかにすることを目的に研究を行った。 種の多様性・眼の多様性(形態形成の多様性)のメカニズムを明らかにするには、生物の種が分岐していくメカニズム、すなわち種分化のメカニズムと相同遺伝子の機能変化を調べる必要がある。今回、まず種分化の分子メカニズムの解明のため、キイロショウジョウバエにおける生殖隔離現象の一つであるSexRatioDistortion(雌雄比率の歪み)に関わる二つの遺伝子NmyおよびTmyそれぞれの野生型と変異型の遺伝子発現を大規模比較するため、マイクロアレイ実験とその解析を行った。その結果、NmyとTmyに含まれる110ntほどの配列が様々な遺伝子の発現を制御していることがわかった。発現が制御される遺伝子にはSpermatogenesisに関わる遺伝子が多く確認され、SexRatioDistortionの分子メカニズムとしてはSpermatogenesis Dysgenesisが考えられることがわかった。さらに、X染色体上のDoxと呼ばれる遺伝子の周辺、二つのコンピュータ予測された遺伝子の周辺にはSpermatogenesis関連遺伝子が集中しており、これらの遺伝子がNmy, Tmyが関与するパスウェイの中で重要な働きをしている可能性が示唆された。また、Nmy, tmyが関与するSexRatioDistortionでは温度が重要な因子であることが実験から確認されていたが、いくつかの温度感受性遺伝子も110ntほどの配列の近くに多く存在すると言うこともわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Molecular characterization of the developmental gene in eyes : Through data-mining on integrated transcriptome databases.2006
Author(s)
Choy KW, Wang CC, Ogura A, Lau TK, Rogers MS, Ikeo K, Gojobori T, Tang LY, Lam DS, Chung TK, Pang CP
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Journal Title