2004 Fiscal Year Annual Research Report
中脳形成と脊髄の周期的な構造獲得におけるHes5の役割
Project/Area Number |
04J03047
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
片平 立矢 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Hes5 / 中脳 / 視蓋 / 吻尾軸 / 神経分化 / siRNA |
Research Abstract |
ニワトリ胚で簡便で効率的に行える遺伝子機能阻害法としてベクターを用いたsiRNA法を開発した。この方法に新たに得られた配列決定法を加え、方法を解説した論文を羊土社の実験医学に発表した。また受入研究者の仲村教授と共著で、強制発現法として確立しているエレクトロポレーション法と前出のsiRNA法の総説がMechanisms of development誌に掲載された。中脳の発生では、En2によって抑制され、それ自身は下流の遺伝子を抑制する遺伝子が存在することが示唆されていた。サブトラクティブPCRによって、ニワトリHes5はEn2に抑制される遺伝子として単離された。Hes5は、En2のエレクトロポレーション法を用いた強制発現により抑制され、またsiRNAを用いてEn2を抑制すると、Hes5が本来発現しない領域で誘導された。さらにHes5を強制発現すると、En2の下流の遺伝子であるEphrinA2が抑制された。このことからHes5は、当初の目的の遺伝子であることが示唆された。この結果とHes5の正常胚の発現パターンをまとめて、Development, Growth and Differentiation誌に掲載した。Shhに抑制される遺伝子として新たに別のHes5を単離した。これまでのHes5をHes5a、新たに単離されたHes5をHes5bとした。Hes5aは、中脳胞の吻側で強く、尾側で弱いという勾配を持って発現している。一方でHes5bも中脳胞の吻側で強く、尾側で弱い発現をしているが、Hes5aよりも吻側に発現をしている。中脳の発生は吻側の方が尾側よりも神経分化が早く始まり、この勾配が将来的な視蓋の勾配を形成する。Hes5aとHes5bの発現パターンと機能の違いが中脳視蓋の吻尾軸を形成する機構を解析している。また脊髄でもHes5aが発現しており、その役割について調べている。
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Research Products
(4 results)