2004 Fiscal Year Annual Research Report
低次元系ナノ構造トンネル接合の実現とテラヘルツ帯域キャリア伝導機構の解明
Project/Area Number |
04J03173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 武雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2) (90447144)
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Keywords | 分子層エピタキシ / ベリリウムドーピング / X線回折 / 深い準位 / 側壁pin接合 / フォトキャパシタンス法 / 側壁トンネル接合 / 再成長 |
Research Abstract |
本研究では,アルシンやトリエチルガリウムなどの原料ガスを基板上に交互導入し,表面反応によって半導体単分子層成長が可能な分子層エピタキシャル成長(MLE : Molecular Layer Epitaxy)を用いて,ベリリウムドーピングガリウム砒素(GaAs)成長層を形成した.その結果,290℃という低温成長においてp形GaAs層を得た.この成長層は,高キャリア濃度(8x10^<19>cm^<-3>)で高移動度,かつ急峻プロファイルを有する.そして,五結晶X線回折測定によって成長層の格子歪みが小さいことを確認した.この高品質なMLE成長層はナノ構造トンネル接合に非常に有用である. 深い準位は半導体デバイス性能に大きく影響する.低次元系ナノ構造においてはますます顕著に影響すると考えられる.本研究では,深い準位を詳細調査するために,MLE法によってナノ構造側壁pin接合を作製し,そのデバイスにフォトキャパシタンス法(PHCAP : Photo Capacitance)を適用した.GaAs側壁pin接合はp形GaAs側壁メサ上にi-n^+層を選択的にMLE再成長することによって作製した.側壁メサの面方位はnormal mesa, reverse mesaおよび45 degrees-inclinedの3つである. PHCAP法は極低温にて単色光照射によって欠陥を励起し接合容量の変化から深い準位を測定する方法である.Normal mesa側壁pin接合において,伝導帯下0.75eVと価電子帯上1.04eVに主要な欠陥準位を観測した.また,側壁メサ方位の違いによって,深い準位密度およびその準位レベルが異なった.以上の結果から,ナノ構造側壁トンネル接合のもつ側壁面方位依存性は,トンネル接合の再成長界面に存在する深い準位に起因することを明らかにした.
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Research Products
(2 results)