2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪崎 隼人 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | TMC-95A / アンチラトキシン / 全合成 / ジアステレオ選択的 / 光延カップリング / マクロラクタム化 |
Research Abstract |
TMC-95Aと同じくペプチド系天然物であるアンチラトキシンの合成研究を行った。海産藍藻Lyngbya majusculaから単離されたアンチラトキシンは強力な魚毒性を示す環状リポペプチドであり、細胞毒性およびナトリウムチャネル活性化作用を示す。また、4位および5位の立体が活性に大きな影響を及ぼすことがわかっている。アンチラトキシンは3置換オレフィンが共役したジエン構造とt-ブチル基を有する特徴的な側鎖を持つ。この側鎖の生理活性に対する影響に興味を持ち、側鎖の構造活性相関研究を視野に入れた合成研究を開始した。 Whiteらの全合成中間体であるアルデヒドに対し、Ti(Oi-Pr)_4-(R)-BINOL錯体を用いてアセチリドを付加させ、ジアステレオ選択的にプロパルジルアルコールを得た。光延カップリングにより、93%の高収率でトリペプチド部と連結し、エステルとした。このもののジチアン部位を2工程でカルボン酸としたのちに、マクロラクタム化を経て、非常に効率的に、側鎖として立体的に小さな末端アセチレンを有するマクロリドを得た。興味深いことにこのものは細胞毒性を全く示さなかった。このことから、特徴的な側鎖が活性に不可欠であることが示唆された。側鎖導入のために、Hg(OTf)_2を用いたオキシマーキュレーションによりメチルケトンを合成した。このものに対して、Wittig反応およびJulia反応による側鎖導入を試みたが、望むアンチラトキシンは得られなかった。
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