2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03239
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪崎 隼人 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | TMC-95A / 神経突起伸展活性 / ピンナトキシンA / 全合成 |
Research Abstract |
1 TMC-95Aの神経突起伸展実験 TMC-95Aは、タンパク質分解酵素プロテアソームを非共有結合的に数nMレベルで高選択的に阻害する。幾つかのプロテアソーム阻害剤は、神経細胞モデルに対して神経突起の伸展を促すため、アルツハイマー病などの神経系の衰退を引き起こす病気の治療薬として期待されている。 全合成したTMC-95Aの神経突起伸展実験を行った。Neuro2Aでは、観察開始から2日後、無添加の細胞では神経突起の伸展がほとんど見られなかったが、TMC-95Aを添加した細胞では濃度に応じて突起の伸展が観察された。これにより、TMC-95Aが神経突起伸展活性を有することを初めて示した。つづいて、PC12の実験では、観察開始から16時間後、無添加の細胞では神経突起の伸展が見られなかったのに対し、TMC-95Aを添加した細胞では突起の著しい伸展が観察された。この結果から、TMC-95Aの神経突起伸展活性は、神経細胞モデルに対して一般性があることを示した。 2 ピンナトキシンAの形式全合成 1995年、上村らによってイワカワハゴロモガイから単離されたピンナトキシンAはカルシウムチャネル活性化作用を示す海産毒である。ピンナトキシンAは6,7-スピロ環状イミン、6,5,6-ビススピロアセタールを含む27員環大環状骨格などユニークな構造を有している。 当研究室で合成法が確立された2大フラグメントのジチアンカップリングによる連結、つづく閉環メタセシス反応により効率よく27員環炭素骨格を構築した。次に酸処理による分子内アセタール化でEF環部を構築した。最後にA環部を構築すべく、当研究室で確立した分子内Aza-Wittig反応を種々検討したが、望む化合物は得られなかった。しかし、岸らの全合成ルートの中間体へ誘導することで、ピンナトキシンAの形式全合成を達成した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] TMC-95A, a reversible proteasome inhibitor, induces neurite outgrowth in PC12 cells2004
Author(s)
Inoue, M., Zhai, H., Sakazaki, H., Furuyama, H., Fukuyama, Y., Hirama, M.
-
Journal Title
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14
Pages: 663
-
[Journal Article] A Formal Total Synthesis of (+)-Pinnatoxin A2004
Author(s)
Sakamoto, S., Sakazaki, H., Hagiwara, K., Kamada, K., Ishii, K., Noda, T., Inoue, M., Hirama, M.
-
Journal Title
Angewandte Chemie International Edition 43
Pages: 6505