2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規JNKシグナル伝達経路のJNK結合モチーフによる探索およびその機能的解析
Project/Area Number |
04J03289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 忠明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | JNK / ASK1 / BMP / BMPRII / JBD / scaffolding protein |
Research Abstract |
JNKはMAPキナーゼファミリーに属するリン酸化酵素であり、炎症・ストレス応答や細胞分化等の高次細胞機能の制御因子として重要な役割を担うが、初期発生や細胞分化におけるJNKの核外での制御機構は不明な点が多い。一方、JNK結合性タンパク質には、アミノ酸配列からなるJNK結合モチーフが高度に保存されていることから、本研究において、ヒト及びマウスタンパク質アミノ酸配列ライブラリーを活用した網羅的In silicoスクリーニングを行った結果、複数の有力な細胞核外JNK結合候補タンパク質群を得た。 それらの中で、初期発生や硬組織新生に重要な役割を担うサイトカイン、BMPの受容体の一つ、BMPRII(BMP receptor type II)が、BMPRIIに特異的なC末端領域において、JNKと結合することを私は見出した。BMPRIIは、JNKのみならず、その上流キナーゼのMKK4や更に上流のキナーゼのASK1とも異なる領域で結合し、これらJNK及び一連の上流キナーゼは、BMP刺激に応じて空間的制御を受け、細胞膜に局在するBMPRII上でASK1/JNK経路が形成され活性型となることを見出した。ASK1により活性化されたJNKが、BMPRIIを直接リン酸化することから、リン酸化部位を検討した結果、少なくとも、スレオニン575,621,977が、JNK活性により、リン酸化レベルの調節を受けることが判明した。これらの結果は、BMPRIIがASK/JNK経路の足場タンパク質として機能することを示しており、かつJNKによるBMPRIIのC末端領域のリン酸化が、BMPRIIの立体構造及びその機能に影響を与えることを示唆している。更に、JNKは、BMPRIIをリン酸化することで、プロテアゾームによるタンパク分解を誘導し、BMPRIIのターンオーバーを制御することが示唆された(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)