2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規JNKシグナル伝達経路のJNK結合モチーフによる探策およびその機能的解析
Project/Area Number |
04J03289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 忠明 東北大学, 大学院歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | JNK / ASK1 / BMP / BMPRII / JBD / Scaffolding Protein |
Research Abstract |
JNKはストレス応答や細胞分化等の制御因子として機能するキナーゼであるが、初期発生や分化におけるJNKの核外での制御機構は不明な点が多い。一方、JNK結合タンパク質には、JNK結合モチーフが高度に保存されていることから、本研究において、ヒトタンパク質アミノ酸配列ライブラリーを活用した網羅的In silicoスクリーニングを行った結果、私は有力な細胞核外JNK結合候補タンパク質群を得た。 その中で、初期発生や硬組織新生に重要なサイトカイン、BMPの細胞膜受容体の一つ、BMPRII(BMP receptor type II)が、その特異的なC末端領域において、JNKと結合することを見出した。BMPRIIは、JNK以外に、その上流キナーゼのMIKK4やASK1とも会合し、これらは、BMP刺激に応じ空間的制御を受け、BMPRII上でASK1/JNK経路が形成されることを見出した。ASK1により活性化されたJNKは、BMPRIIのスレオニン977(T977)を直接リン酸化した。また、ASK1/JNKシグナル下流で、この部位のリン酸化依存的にプロテアゾーム経路によるBMPRIIのタンパク分解が促進されたが、T977A点変異体では促進されなかった。これらの結果は、BMPRIIがASK/JNK経路の足場タンパク質として機能することを示しており、かつJNKによるBMPRII T977のリン酸化が、半減期を含むBMPRIIの機能制御に関与することを示している。 更に、ニワトリ胚初期発生系で、Smad経路のドミナントネガティブBMPRII変異体に対するT977E点変異体の強制発現が、ドミナントネガティブBMPRII変異体とは異なり、肩甲骨の発生を阻害したことから、初期発生において、このBMPRIIのT977のリン酸化レベルの調節が、non-Smadシグナルの調節に関与している事を示唆している。
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Research Products
(3 results)