2004 Fiscal Year Annual Research Report
ファージ提示法による抗原抗体相互作用における特異性・親和性創出機構の解明
Project/Area Number |
04J03302
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横田 亜紀子 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 抗原抗体相互作用 / ファージ提示法 / 特異性 / リゾチーム / 抗体ライブラリー / 熱力学的解析 / X線結晶構造解析 / 親和性 |
Research Abstract |
本研究では,申請者がこれまで行ってきた熱力学的測定と結晶構造情報に基づく抗原抗体相互作用解析を基盤とし、さらに当研究室において構築されているファージ提示法による抗体クローンの人工選択系を取り入れ、選択された抗体変異体の分子認識能に関する議論を行うことで、蛋白質-リガンド間の特異的分子認識機構の解明を目指した. 1.抗体HyHEL-10各CDRの変異ライブラリーの構築と、抗原HELを用いた抗体の選択:ニワトリ卵白リゾチームHELに対するモノクローナル抗体HyHEL-10抗体可変領域Fv断片の相補性決定領域CDRの残基に無作為変異を導入した遺伝子ライブラリーを構築し、それらをファージ表面に提示させ、抗原HELに対して親和性と特異性を有するクローンの選択を行った.その後、選択した抗体ファージの抗原HELに対する結合活性の評価をオープンサンドイッチファージELISAにて行った. 2.選択した抗体変異体と抗原HELとの抗原抗体相互作用の解析:ファージ提示法により選択したクローンの発現ベクターを作製し、変異型HyHEL-10Fvの大腸菌システムによる大量培養・精製を行い、抗原HELとの相互作用を、酵素活性阻害度測定および等温滴定型熱量測定にて評価した. 3.選択した抗体変異体と抗原HELとの複合体の構造解析:同様に調製した変異型抗体を用いて、抗原HELとの複合体の結晶化およびX線結晶構造解析を行い、上述の熱力学的解析の結果と組み合わせて、機能と構造の両面から抗原抗体相互作用についての原子・残基レベルでの詳細かつ多角的な考察を行った.
|