2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03364
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 雅隆 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 楕円曲線 / 保型形式 / L関数 / Beilinson-Bloch予想 / 玉河数予想 / Selmer群 / motivic cohomology / 岩澤理論 |
Research Abstract |
本年度も引き続き,楕円曲線及び保型形式とそれらに付随するL-関数に関連した研究に取り組みいくつかの成果が得られた.一つ目の成果としては一般の重さの保型形式に対して,それを二次の指標で捻ったものはまた保型形式になることが知られているが,その中にSelmer群の位数が固定された素数pで割れないようなものが無限に存在することを証明した.これは楕円曲線の場合のSelmer群の位数の非可除性を調べた現在この結果は論文にまとめ,専門誌に投稿中である. 二つ目の成果は保型形式に対するBeilinsonとBlochの予想の研究である.楕円曲線の場合はBirchとSwinnerton-Dyerによる,L-関数の中心点における零点の位数が楕円曲線のMordell-Weil群のrankに等しくなるであろうという予想が有名であるが,それを一般の代数多様体まで一般化したのがBeilinsonとBlochによる予想であった.L-関数の中心点での値が零でない場合は加藤和也氏によって,予想が成り立つことが証明されている.今回はいくつかの例に対してL-関数の中心点での零点の位数が1の場合にこの予想が成り立っていることを証明した.この場合はNekovarの結果によりp-進L-関数の微分の中心点での値が零にならな示せば十分であることが知られているので,p-進L-関数の微分を計算する公式を与え,計算機を用いてこの値を計算した. 三つ目の成果としては,虚数乗法をもつ楕円曲線に対する玉河数予想に関連して,motivic cohomologyの中に特別な元を構成しBeilinsonによるregulator写像及びSouleによるl-adic Chern類写像での像に対する明示的な公式を証明した.これは虚二次体の場合のequivariant玉河数予想を証明したJohnsonの結果の部分的な一般化になっている.
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