2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次元の場の理論の研究とそれを用いた素粒子模型の構築
Project/Area Number |
04J03370
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小倉 祥照 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 一般化されたフュージョン代数 / プロジェクティブ / 二次元共形場理論の境界状態 |
Research Abstract |
今年度は調弦理論の幾何学的な側面を明らかにすることを目的に研究を行いました。弦理論的な幾何学はD0ブレインをプローブとすることにより、より短い距離スケールまで探ることができると考えられます。またDブレインは弦の境界状態として記述され、弦自体は二次元共形場理論により記述されます。以上から我々は二次元共形場理論の境界状態の分類に関する研究を行いました。 この二次元共形場理論の境界状態の分類に関する問題に対し、一つの重要な仕事が今年の10月に石川、谷らにより発表されました。この論文では、境界状態として、今考えている系の対称性を保つ状態と、系の対称性を表す群の同型で破った状態が、合わせて一つのフュージョン代数(一般化されたフュージョン代数)をなすことが示されました。これにより、今まで別々のフュージョン代数として分類されていた境界状態が一つのフュージョン代数で分類できるようになりました。またこの代数は、考える群の同型が非可換になると、それに伴って非可換になるといったおもしろい結果を持ちます。 我々は、この一般化されたフュージョン代数についてさらに詳しく調べました。具体的には、上記のフォーマリズムを、群の同型の作用がプロジェクティブなケースにまで適用可能なように拡張を行いました。また実際に、S^1、またそのオービフォルドにより得られる空間に対して計算を行い、このフォーマリズムが正しいことを具体的に確かめました。
|