Research Abstract |
1.プラズマ中マイクロ波の測定信号をミキサーへ入力し,その微小出力電圧を測定,及びコンピュータへデータを転送するという測定システムを設計・開発した. 2.不均一磁場配位中で熱陰極直流放電により生成したアルゴン(Ar)プラズマ中へ,電子サイクロトロン共鳴(ECR)に関与しないとされてきた左旋偏波(周波数:6GHz)を強磁場側から選択的に入射した際に,ECR点近傍で右旋偏波へと偏波方向反転を起こし共鳴吸収されることを明らかにした.ここでは,位相調整器を用いてマイクロ波電場ベクトルの時間変化を測定したところ,強磁場側では左旋偏波,ECR点近傍では右旋偏波になっていることが確認された. 3.上記プラズマ源を用いて,プラズマ直径を4〜8cmの範囲内で変化させたところ,直径が小さくなるに従って,偏波方向反転が起こる位置がECR点に近づくことが観測された.この際に,境界条件の影響を受けると考えられる磁力線垂直方向波数が小さくなっていることが実験的に観測された.また同時に,電磁波の吸収領域が局所的になっていくという現象も観測されている.これは,偏波方向反転位置を制御することで波動の吸収領域,及び電子加熱領域を制御できる可能性を示唆している. 4.上記1,2の実験結果は,プラズマ中電磁波の分散関係に境界条件の効果,及び不均一磁場配位の効果を導入することにより説明でき,分散関係の実測値と計算値は良い一致を示すことが明らかになった. 5.更にプラズマ直径を大きくするために,現有のクライストロン(周波数:6GHz)を用いて大直径(〜20cm)プラズマを生成し,プラズマ生成領域前面に設置したリミターによりプラズマ直径の制御を6〜20cmの範囲に拡張した. 6.5のプラズマ中へ周波数7GHzの左旋偏波を選択的に入射したところ,同様に偏波方向反転が起き,その位置はやはりプラズマ直径で変化することが観測された. 7.20cmまでプラズマ直径を拡大していくと,励起される電磁波の半径方向のモード数が,1,2,3と変化していくことが実験的に観測された.
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