2005 Fiscal Year Annual Research Report
次世代航空機開発のための最適設計システムの高度化とその工学的応用
Project/Area Number |
04J03396
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
山崎 渉 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 空力最適化 / 抵抗値予測 / 抵抗値分解 / 翼端形状 / 音速近傍航空機 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
まず空力解析の信頼性・有効性の向上を目指し、構造・非構造格子計算結果から抵抗値分解を行なう手法を開発・拡張した。この手法においては抵抗値を物理成分に分解するだけでなく、数値的な影響による非物理的な抵抗成分を除去する事も可能である。この手法の開発により、抵抗値予測精度の改善・抵抗低減メカニズムの詳細な解析が可能となった。 開発した抵抗分解手法の妥当性・有効性を検証するために、本手法を東北大学にて開発された非構造格子ソルバーのTAS-code、ワイオミング大学にて開発された非構造格子ソルバーのNSU3D、三菱重工にて開発された構造格子ソルバーのJanetにそれぞれ適用した。結果、妥当な抵抗要素分解結果が得られ、粗い計算格子であっても数値的な誤差影響を取り除く事により精度良い抵抗値予測が達成できた。 本手法の確立により、粗い計算格子における数値計算の信頼性が格段に向上した。その上で空力最適設計の高度化・信頼性の向上を目指し、抵抗分解手法と空力最適化手法とを組み合わせた手法を開発し、実際に精度良くロバストな空力最適設計が行なえる事を示した。本最適設計システムは三菱重工業にて開発されている環境適応型高性能小型航空機の翼端形状(ウィングレット)設計にも応用され、高効率な翼端形状を提案した。 これらの成果はAIAA Journal・日本機械学会International Journal等において掲載された。また4月にイギリスにおいて開かれたConference on Finit Elements for Flow Problems、6月にカナダにおいて開かれたAIAA Applied Aerodynamics Conference等においても発表している。来年度もアメリカ航空宇宙学会やECCOMASCFD等において最新の研究成果を報告予定である。
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Research Products
(4 results)