2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代航空機開発のための最適設計システムの高度化とその工学的応用
Project/Area Number |
04J03396
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
山崎 渉 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 空力最適化 / 抵抗値予測 / 抵抗値分解 / 翼端形状 / 多分野融合最適設計 / 羽ばたき翼 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
まず数値流体解析の信頼性の向上を目指し、数値計算結果から空気抵抗を要因毎に分類する抵抗分解手法を開発・拡張した。この手法では、数値的な影響による非物理的な抵抗要因を除去する事により抵抗予測精度の改善も達成されうる。更にその抵抗要因を流れ場空間に可視化できる事も有用である。この手法の開発により、粗い計算格子であっても数値的な誤差影響を取り除く事により精度良い抵抗値予測が達成でき、更に抵抗低減メカニズムの詳細な解析が可能となった。 本手法は6月にアメリカで開催されたAIAA Drag Prediction Workshopや10月に日本において開催されたJAXA高揚力装置風洞模型を用いたCFD Workshopにおいて適用され、開発した抵抗分解手法の妥当性・有効性が確認された。 本手法の確立により、数値計算結果の詳細なデータマイニングが可能となった。その上で空力最適設計の高度化・信頼性の向上を目指し、抵抗分解手法と空力最適化手法とを組み合わせた最適設計システムを構築し、その有用性を示した。本最適設計システムは三菱重工業にて開発されている環境適応型高性能小型航空機の翼端形状(ウィングレット)設計にも応用された。この翼端形状最適設計においては空力・構造の多分野融合最適設計にシステムは拡張され、高効率かつ信頼性の高い翼端形状を提案している。 また本研究で開発された最適設計システムは羽ばたき翼の翼型・軌道同時最適設計にも応用され、羽ばたき翼の有用な設計知見を得ることもできた。 これらの成果は6月、1月にアメリカで開催されたAIAA Conferenceや9月にオランダで開催されたECCOMAS CFD Conference等において口頭発表している。またアメリカ航空宇宙学会等の国際ジャーナルにも本研究成果を投稿中である。
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