2005 Fiscal Year Annual Research Report
新強磁性形状記憶合金の単結晶を用いた双晶磁歪のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
04J03401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森戸 春彦 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / 双晶磁歪 / NiFeGa合金 / Co置換 / 結晶磁気異方性 / 双晶界面の易動度 |
Research Abstract |
強磁性形状記憶合金が双晶磁歪を示すためには、大きな結晶磁気異方性と双晶界面の高易動度が必要である。そこで、本研究ではNi_<54>Fe_<19>Ga_<27>合金のNiとFeの一部をCoで置換し、キュリー温度Tcを上昇させ、室温における結晶磁気異方性を増大させた。この結果、室温における双晶磁歪量が増加し、Co置換によりNiFeGa合金の双晶磁歪量を制御可能であることを明らかにした。以上の成果を2005年Korea-Japan Joint Symposium with Four Leading Universities on New Materials Scienceにおいて発表した。さらに、この成果論文は2005年J.Magn.Magn.Mater.に掲載された。その後、結晶構造の異なるCo部分置換NiFeGa合金について、双晶界面の易動度ならびに双晶磁歪量を評価し、Co部分置換NiFeGa合金におけるマルチンサイト相の結晶構造と双晶磁歪の相関について調査した。その結果、マルチンサイト相における結晶構造の周期性が長くなるほど双晶界面の易動度が高くなり、磁歪量が増加することを明らかにした。そして、Co部分置換NiFeGa合金の双晶磁歪特性向上のための最適置換量を検討した結果、Ni_<52>Fe_<18>Ga_<27>Co_3合金において室温で約0.7%の大きな磁歪量が得られた。この成果論文は、2005年Scripta Materialiaに掲載された。さらに、Co置換Ni-Fe-Ga合金の結晶磁気異方性について調査した結果、Co置換量増加に伴い、磁化容易軸と磁化困難軸が逆転することを明らかにした。この研究成果を第138回日本金属学会で発表予定である。
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Research Products
(4 results)