2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03421
|
Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
船本 健一 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 生体流体力学 / 数値流体力学 / 計測融合シミュレーション / フィードバック / 超音波計測 / カラードプラ法 / エイリアジング / 動脈瘤 |
Research Abstract |
本研究では、血流の超音波計測と数値シミュレーションを一体化した新たな解析手法である、超音波計測融合シミュレーション技術の確立を目指している。本手法では、数値シミュレーションの計算過程において、計算結果と計測データの誤差に基づく信号をフィードバックしながら計算を行い、計算結果を実際の血流場に収束させる。これにより、フィードバックを行わない通常のシミュレーションでは再現できないような、血管疾患部内の乱れた血流構造も再現することが可能になる。 本年度は、超音波計測融合シミュレーションの根幹をなす、フィードバック則に関する検討を中心に、数値シミュレーションによる検討を行った。研究対象は、下行大動脈に発症した動脈瘤とした。まず、2次元の数値シミュレーションにより、フィードバックを適用する代表点の配置に関し、その設定領域や密度を変化させて計算を行った。これにより、血流場を再現したい領域に、代表点を集中的に配置すれば良いという知見を得た。また、本手法におけるフィードバック信号を指標として応用することにより、超音波計測における計測誤差の一つであるエイリアジングを、検知および除去できることを示した。 更に、本年度は、超音波計測融合シミュレーションを3次元の血流解析に拡張した。まず3次元のフィードバック則に関する検討として、本手法による動脈瘤内の定常流の再現を試みた。その結果、経食道超音波走査時の超音波プローブの配置は、計算精度に影響を及ぼした。このとき、ドプラ速度に速度の各成分の情報が最も反映されるよう、下流側斜め45度方向から超音波ビームを照射した場合に、フィードバックが最も効果的に作用した。プローブを2箇所または3箇所に設定して計測を行って得られたドプラ速度から、フィードバック信号を構成することにより、誤差に関する情報量が増え、計算精度がより向上することも確認した。
|
Research Products
(6 results)