2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03421
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
船本 健一 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生体流体力学 / 数値流体力学 / 計測融合シミュレーション / フィードバック / 超音波計測 / カラードプラ法 / 動脈瘤 / 過渡特性 |
Research Abstract |
本研究は、より高度な循環器系疾患の診療に必要不可欠である血管内の血流場を正確かつ詳細に得るため、超音波計測と数値シミュレーションを一体化した血流の超音波計測融合シミュレーション技術の確立を目的としている。本手法では、計算領域内に定義したフィードバック領域内の複数のフィードバック点において、その位置における速度場の超音波計測結果(ドプラ速度)と、それに対応するドプラ速度を比較し、それらの問の誤差に基づく信号を加えながら計算を行う。これにより、時間の進行に伴い計算結果を実際の血流場に収束させ、計算精度の向上を可能にする。 本年度は、まず、動脈瘤内の3次元定常流の再現を題材にした数値実験により、超音波計測融合シミュレーションにおけるフィードバック則について更に詳しい検討を行った。フィードバック領域を移動、拡張または縮小させて計算を実行し、動脈瘤内の血流場の再現には、動脈瘤とその上流を含む領域をフィードバック領域とすることが有効である一方、境界近傍に領域を設定すると計算精度が逆に悪化する結果を得た。また、フィードバック点の配置に関しては、フィードバック領域内部に等方的または異方的に配置して考察し、フィードバック点密度が高い領域では、密度を小さくしても計算精度は急激には悪くならいことや、対流の影響から、流れに垂直な複数断面上の超音波計測結果を密に得ることが有効であることを明らかにした。更に、これまでは、壁せん断応力の算出に重要な速度場の再現のみに関して評価を行ってきたが、圧力場をも再現するフィードバック則について検討し、フィードバック信号を基に正確な圧力場を推定できる可能性を示した。 次に、本年度は、上記の検討により得た本手法の定常特性および過渡特性を考慮し、動脈瘤内の3次元非定常流に対する数値実験を行い、本手法が実際の3次元非定常の複雑な血流場の再現にも有効であることを確認した。
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Research Products
(3 results)