2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性構造制御による磁気ストレージの超高密度化に関する研究
Project/Area Number |
04J03427
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 光弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 垂直磁気記録 / メディアノイズ / 熱安定性 |
Research Abstract |
本研究は、垂直磁気記録方式を用いた磁気ディスクストレージの超高密度化を目的とする。磁気ディスクの記録磁性層は微細結晶粒子から成っており、現状のヘッド・媒体では複数の磁性結晶粒子が集団的な磁化反転を起こす磁気クラスタが形成されて磁化転移近傍でノイズの主要因となっている(転移性ノイズ)。そのため、磁性粒子の微細化と共に非磁性材料であるSiO_2などの非磁性材料の粒界への析出により磁性結晶粒子を孤立する努力がなされているが、これは一方で記録されたビットの熱安定性の劣化を招くため、バランスの取れたデバイスの設計指針を提示することが重要な課題である。 本研究では、粒子の孤立化の熱安定性への影響について調べるため、SiO_2の添加量が異なるCoPtCr-SiO_2垂直二層膜媒体を用いて再生波形の経時変化を時間軸解析により詳細に解析した。その結果、特にSiO_2添加量の多い媒体では記録直後のSN比は高いものの、熱安定性の劣化から記録した向きとは逆向きの磁区(逆磁区)が発生し、信号振幅の減衰、及び逆磁区ノイズの増大を招く傾向が確認された。 しかし、垂直磁気記録の特長である磁化転移近傍での反磁界の減少の効果により、粒子の孤立性を高めた媒体においても転移近傍や高記録密度では比較的安定であり垂直磁気記録を用いた磁気ストレージの更なる高密度化の可能性が示唆された。 また、高記録密度化のために重要な課題である高トラック密度化のため、トラック端やトラック幅方向への信号品質に関しても検討した。その結果、トラック端においてもトラック中央と同様に磁気クラスタ形成によるノイズが問題であることを明らかにした。 これらの成果を取りまとめて本年5月に米国で開催される国際会議(Intermag 2006)において3件の発表が決まっている。
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Research Products
(4 results)