2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03464
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 俊介 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アブラナ科 / 自家和合性 / 異質倍数体 / SRK / SP11 / SLG |
Research Abstract |
自家和合性を示すセイヨウナタネ(Brassica napus)のWestar品種を実験材料として用いた。 ノーザンブロット分析の結果、花粉側の認識分子SP11の転写が、class I, class IIともに起こっていないことを明らかにした。BnSP11-1,BnSP11-13を含むファージゲノムクローンを単離し塩基配列を決定した結果、BnSP11-1には翻訳開始コドンから108bp上流に3604bpの塩基配列の挿入と第1イントロンに、21bpの欠失を見いだした。挿入していた配列には、BamHIとMboIの認識サイトが繰返し存在する領域が存在した。また、BnSP11-13は3',5'-non cording領域それぞれ1kbpを含む範囲で、BoSP11-15と比較して完全に保存されていた。SP11はclass Iとclass II間に優劣関係が存在し、class IIはclass Iに対し、常に劣性を示す。この劣性はSP11の転写抑制によるものであり、エピジェネティックに制御されていることが示されている(Shiba et al,2002)。人為的に様々な組合わせでclass I, class IIの種間雑種を作成したところ、RT-PCRによってclass IIの転写が確認できなかった。BnSP11-13はBnSP11-1によって転写が抑制されたと考えられるが、class IIの転写抑制には、かならずしもclass Iの転写が必要でないこと、対立遺伝子座間ではなくB.napusの様な異質倍数体の同祖染色体間でも関係が維持される点が興味深い。 Sハプロタイプを同定した51品種のうち、約半分がBnS-1,BnS-13の組合わせであった。由来の異なるこれらの品種を用い、SP11のノーザンブロット分析を行なうと、Westar同様にSP11の転写が抑制されていた。サザンブロット分析の結果、これらすべてのBnSP11-1に3.6kbpの挿入を確認した。 異なるSハプロタイプを有する品種Bronowskiでは柱頭側のSRKが機能していないことを明らかにした。
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