2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03464
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 俊介 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 異質倍数体(複二倍体) / アブラナ科 / 自家和合性 |
Research Abstract |
セイヨウナタネ(Brassica napus)は自家和合性である。自家不和合性成を持つB.rapaとB.oleraceaから成立した、複二倍体種である。人為的に複二倍体を作成すると、自家不和合性を示す。 自家和合性B.napus品種Wentarの原因は、優劣性による花粉側因子の転写抑制とゲノム構造の変化によるSP11の機能喪失であった。 自家和合性品種のBronowskiでは柱頭側の認識分子であるSRKが機能していないことを示した。ゲノムライブラリーからクローンを単離し、塩基配列を決定したところ、第1エキソンに欠失がみられた。このことによるフレームシフトが原因で、機能を失ったことが考えられた。また第7エキソンに360bpの挿入がみられた。 同様に、異なるSハプロタイプを有するN344系統でもSRKに7塩基の欠失がみられ、そのことによって機能を失い、自家和合性になったと考えられた。 B.napus51品種のうち、多くは花粉側で優性を示すClassIと劣性のclassIIの組合せであった。しかし、10系統はclass IIどうしの組合せであり、B.oleracea S-15とB.rapa S-29の組合せであった。ノーザンブロット分析の結果、B.oleracea S-15 SP11が優性となり転写していることを示した。 セイヨウナタネ(B.napus)はB.rapaとB.oleraceaの複二倍体種である。禹の三角形を構成するB.nigraとの複二倍体種であるB.junceaとB.carinataのSハプロタイプを同定した。これらの種においてもB.napusと同様に、class Iとclass IIの組合せであった。 複二倍体種が自家和合性になるには優劣関係のあるSハプロタイプの組合せが必要であると結論づけた。
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