2004 Fiscal Year Annual Research Report
ホタテガイの卵形成過程におけるビテロゲニン合成の調節
Project/Area Number |
04J03471
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中尾 令子 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ビテロゲニン / エストラジオール-17β / GnRH / 卵黄形成促進因子(VPF) / 配偶子形成 / 二枚貝 / 生殖内分泌 |
Research Abstract |
これまでにホタテガイの卵黄タンパク前駆体(vitellogenin ; Vtg)合成は中枢神経由来の卵黄形成促進因子(Vitellogenesis Promoting Factor ; VPF)と卵巣内で合成されたエストラジオール-17β(E_2)が促進的に働いているプロモーターであることがわかった。VPFが生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)様物質である可能性が示唆されたことから、本年度はVPFのGnRHとしての同定とGnRHの構造決定を試みた。 <VPFのGnRHとしての同定> 1.抗ヒトGnRH抗体を用いたGnRH様物質の抗体吸収による卵巣in vitro培養を行いVtg合成への効果を調べた。その結果、VPFの活性は抗ヒトGnRH抗体によって吸収されたことから、VPFはGnRHである可能性が強く示唆された。 2.抗ヒトGnRH抗体を用いて中枢神経の免疫染色を行った結果、大きさにより大・中・小と分類した神経細胞のうちの中型の神経細胞に陽性反応が見られた。さらにホタテガイのGnRH様物質のタイプ別の検討をするためニワトリII型GnRH、サケ型GnRH、タイ型GnRHより作出した抗体を用い免疫染色を行った。その結果、タイ型のGnRHでのみ中型の神経細胞と新たた大型の神経細胞の一部に陽性反応がみられた。このことからホタテガイのGnRHはタイ型に分類されると考えられ、サイズの異なる2つの細胞に陽性反応がみられたことからGnRHのタイプが2つ存在する可能性が示された。 <GnRHの構造決定> 保存性の高い領域をもとに縮重プライマーを作製し、ホタテガイの中枢神経中のGnRH産生細胞をテンプレートに用い3'RACE法を行いGnRHのcDNAクローニングと塩基配列の決定を試みたが相同性のある塩基配列は得られなかった。
|