2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホタテガイの卵形成過程におけるビテロゲニン合成の調節
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04J03471
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中尾 令子 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ビテロゲニン / エストラジオール-17β / GnRH / 卵黄形成促進因子(VPF) / 配偶子形成 / 二枚貝 / 生殖内分泌 |
Research Abstract |
これまでにホタテガイの卵黄タンパク前駆体(Vitellogenin ; Vtg)合成は中枢神経由来の卵黄形成促進因子(Vitellogenesis Promoting Factor ; VPF)と卵巣内で合成されたエストラジオール-17β(E_2)がエストロゲン受容体(estrogen receptor ; ER)を介して促進的に働いているプロモーターであることがわかった。これまでの研究からVPFが生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)様物質である可能性が示唆されたことから、本年度はVPFおよびGnRHの受容機構の検討とエストロゲン受容体の構造決定を試みた。 <VPFおよびGnRHの受容機構の検討> ヒトGnRHおよびVPFを用いた卵巣in vitro培養を行い、ステロイド(テストステロン、プロゲステロン、E_2)合成への効果を調べた。その結果、ヒトGnRHおよびVPF添加実験区ではともに卵巣でのステロイド合成の促進効果が認められなかったため、ヒトGnRHおよびVPFはVtg合成を促進する濾胞細胞へ間接的にステロイド合成細胞を介して作用するのではなく、直接的に働きかけることでVtg合成を促進している可能性が高いことが考えられた。 <ホタテガイおよびイガイ類のERの構造決定> ERの保存性の高い領域をもとに縮重プライマーを作製し、ホタテガイ卵巣およびホタテガイと同じ二枚貝の仲間であるイガイ類(M.edulisおよびM.galloprovincialis)の足部神経節および卵巣をテンプレートに用いcDNAクローニングと塩基配列の決定を試みた。その結果、ホタテガイ卵巣より1種類、イガイ類卵巣から2種類のER様物質のcDNAの部分配列を得ることに成功した。
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