2006 Fiscal Year Annual Research Report
ホタテガイの卵形成過程におけるビテロゲニン合成の調節
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04J03471
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中尾 令子 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ビテロゲニン / エストラジオール-17β / GnRH / 卵黄形成促進因子(VPF) / 配偶子形成 / 二枚貝 / 生殖内分泌 |
Research Abstract |
ホタテガイの卵黄タンパク前駆体(vitellogenin ; Vtg)合成は中枢神経由来の卵黄形成促進因子(Vitellogenesis Promoting Factor ; VPF)と卵巣内で合成されたエストラジオールー17β(E_2)がエストロゲン受容体(estrogen receptor ; ER)を介して促進的に働いているプロモーターであることがわかった。これまでにVPFが生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)様物質である可能性が示唆されたため、本年度はVPFのGnRHとしての同定と作用経路の解明を試みた。さらにホタテガイ(PyER)とイガイの2種類(MeER1,MeER2)のER様cDNAの部分塩基配列の発現解析とステロイドの影響を検討した。 <VPFのGnRHとしての同定と作用経路> 血球と血リンパ上清はともにVtg合成を促進した。血球・血リンパ上清中のVPFについてVtg合成に対する哺乳類GnRH(mGnRH)アンタゴニストの競合および抗mGnRH、抗タイ型GnRH(sbGnRH)抗体の吸収実験でタイプ別の検討をした。血球中のVPFはmGnRHのタイプに類似した構造を持つが、上清中のVPFは今回用いた抗体では認識することのできないタイプのGnRHで、Vtgの翻訳促進に主体的に作用している可能性が示された。 <ERの発現解析とステロイドの影響> RT-PCRにより組織分布を解析するとPyERは生殖巣や中枢神経にも発現がみられた。MeER1は組織全体に発現し、生殖巣以外の組織での発現が強かったが、MeER2は卵巣と足部神経節で比較的強く発現していた。MeER1はステロイドホルモンの調節を受けないが、PyERおよびMeER2は特にE_2による促進的な調節を受けた。そのためエストロゲンシグナリングが二枚貝ひいては軟体動物に普遍的に存在する可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)