2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山中 賢一 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子改変動 / 体細胞クローン / ブタ / 糖尿病 / 共移植 / 性周期の同期化 / 単為発生 |
Research Abstract |
本研究では、体細胞クローン技術を利用してインスリン非依存型糖尿病の疾患モデルブタを開発することを目的としている。本研究は、1.遺伝子置換のためのターゲティングベクターの構築し、2.得られた遺伝子置換細胞を作製し、3.作製した遺伝子置換細胞を用い核移植によりインスリン非依存型糖尿病の疾患モデルブタを開発するという大きく分けて3つの過程からなっている。本研究遂行のための核となる体細胞クローン技術の改良のための実験を行った。本研究では、目的とする遺伝子改変動物を効率的に作成するため、体細胞クローン技術を利用する。しかしながら、体細胞クローン動物の成功率は遺伝子改変動物の作製など非常に実用化が望まれているにもかかわらず、その成功率は動物種を問わず数%と非常に低く改善する必要がある。そこで、本年度は胚移植の改善を行った。ブタは多胎であり、母体の妊娠認識に受胎産物側からのエストロジェンの分泌が重要であり、妊娠12日目までに4頭以上の受胎産物が存在していなければ流産するとされている。つまり、ブタでは胚移植によって産子を得るためには他の産業動物よりも多くの良質な胚を用意する必要がある。さらに、通常の受精卵と比較して発生能力の低いクローン胚から産子を取るためには非常に大量のクローン胚が必要となり、その作製は困難である。そこで、妊娠維持に必要な受胎産物を発生させる目的で単為発生胚をクローン胚と共に移植することで妊娠率の向上およびクローン産子の獲得を目的として胚移植を行った。さらに、本研究では仮親に発情誘起に関する報告の少ないミニブタを用いているためミニブタにおける発情勇気法の確立も行った。その結果、ミニブタにおける発情誘起のための適切なホルモン量の決定および妊娠率の向上に成功した。さらに、ミニブタクローン個体の作出することにも成功した。この成果により、最終目的である遺伝子改変細胞からの個体の作出が期待される。
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