2004 Fiscal Year Annual Research Report
Polo-like kinaseによるSlingshot活性制御・生理機能の解明
Project/Area Number |
04J03489
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 裕作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / コフィリン / Slingshot / polo-like kinase / 14-3-3 |
Research Abstract |
アクチン細胞骨格の主要な制御因子であるコフィリンは、細胞質分裂への関与が示唆されている。コフィリンの活性はコフィリンフォスファターゼであるSSH-1Lによる脱リン酸化により制御されている。SSH-1L結合蛋白質として同定されたPolo-like kinase(Plk)は細胞分裂の制御に重要な蛋白質であることが知られている。私はこれまでにin vitroにおいてPlkのC末端polo-box領域とSSH-1Lが結合することを明らかにした。SSHも細胞分裂に関与していることが当研究室で明らかにされており、SSH-1Lの酵素活性のない変異体の強制発現により収縮環近辺にアクチンの異常な蓄積が生じ、その結果多核になることが明らかになっている。そこで私は分裂期におけるPlkとSSH-1Lの相互作用について解析した。SSH-1Lが分裂期で複数カ所のリン酸化による活性の制御を受けていること、またPlkはリン酸化により細胞分裂の進行に影響を与えていることが報告されているのでPlkがSSH-1Lをリン酸化するか検討し、in vitroでPlkにより、SSH-1Lが直接、複数カ所リン酸化されることを明らかにした。これらの結果はPlkとSSH-1Lの相互作用が細胞質分裂に重要であることを示唆している。 このほかSSH-1Lの細胞内機能を明らかにするためSSH-1L結合蛋白質として同定された14-3-3蛋白質とSSH-1Lの相互作用の解析を行った。14-3-3蛋白質はin vivoおよびin vitroにおいてSSH-1Lの活性を抑制した。また、SSH-1Lはアクチン線維と結合し、活性化することが報告されているが14-3-3蛋白質はSSH-1Lのアクチン線維への結合を抑制した。これらの結果は14-3-3蛋白質がSSH-1Lの活性、局在の制御に重要な働きをしていることを示唆している。
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Research Products
(1 results)