2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03492
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森長 真一 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 閉鎖花 / 収斂進化 / 進化遺伝学 / 適応進化 / 進化的制約 / 進化生態学 / 表現型進化 / 遺伝子進化 |
Research Abstract |
閉鎖花とは、開花することなく蕾の状態で自家受精し結実する花のことである。この花は複数回独立に進化したにもかかわらず、花弁の退化・花粉数の減少という共通の表現型を示し、収斂進化の好例である。本研究では、閉鎖花形成遺伝子の単離とその種間比較により、閉鎖花における収斂進化の分子機構を明らかにすることを目的とする。そのための材料には、シロイヌナズナに近縁で開放花と閉鎖花(花弁と雄しべの数が減少)の両方をつけるコカイタネツケバナを用いた。 閉鎖花形成遺伝子の単離のために、網羅的遺伝子発現解析法であるマイクロアレイ実験をおこなった。まずはじめに、開放花と閉鎖花からRNAを抽出した。その後、マイクロアレイ実験により開放花と閉鎖花での発現遺伝子の比較をおこなった。その結果、発現量に差のある遺伝子が21遺伝子ほど存在することがわかった。閉鎖花で発現量が減少している遺伝子が12個で、花の形態形成に関わると考えられる転写因子を2遺伝子含んでいた。一方、閉鎖花で発現量が増加している遺伝子が9個で、主にストレス応答遺伝子であった。 その後、マイクロアレイ実験により同定した2つの遺伝子に着目し、シロイヌナズナにおいてRNAiという遺伝子ノックダウン法をもちいて発現量を低下させた。現在、ノックダウン株の表現型観察を行っている。さらに、発現部位の詳細を特定するためにin-situハイブリダイゼーション実験を行っている。 今後は上記遺伝子の解析を進めるとともに、他のアブラナ科閉鎖花植物においても上記遺伝子が閉鎖花形成に関わっているかを調べ、閉鎖花の収斂進化の分子機構に迫っていく。
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Research Products
(1 results)