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2006 Fiscal Year Annual Research Report

閉鎖花の収斂進化に関する進化遺伝学的研究

Research Project

Project/Area Number 04J03492
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

森長 真一  東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords閉鎖花 / 収斂進化 / 進化遺伝学 / 適応進化 / 進化的制約 / 進化生態学 / 表現型進化 / 遺伝子進化
Research Abstract

閉鎖花とは、開花することなく蕾の状態で自家受精し結実する花のことである。この花は複数回独立に進化したにもかかわらず、花弁の退化・花粉数の減少という共通の表現型を示し、収敏進化の好例である。本研究では、閉鎖花形成遺伝子の単離により、閉鎖花進化の分子機構を明らかにすることを目的とする。そのための材料には、ゲノム情報が既に明らかにされているシロイヌナズナに近縁で、開放花と閉鎖花の両方をつけるコカイタネツケバナを用いた。
閉鎖花形成遺伝子の単離のために、網羅的遺伝子発現解析法であるマイクロアレイ実験をおこなった。まずはじめに、開放花と閉鎖花からRNAを抽出した。その後、マイクロアレイ実験により開放花と閉鎖花での発現遺伝子の比較をおこなった。その結果、発現量に差のある遺伝子が37遺伝子存在することがわかった。閉鎖花で発現量が減少している遺伝子が9個で、花の形態形成に関わると考えられる転写因子を2遺伝子(SBP-box遺伝子・Zincfinger遺伝子)を含んでいた。一方、閉鎖花で発現量が増加している遺伝子が28個で、複数個のストレス応答遺伝子(HSP70・HSP90・RD)を含んでいた。
そこで、マイクロアレイ実験により同定した閉鎖花で発現量が低下するSBP-box遺伝子に着目し、シロイヌナズナにおいてRNAiを用いた遺伝子ノックダウン実験により、閉鎖花表現型に対するその遺伝子の役割を調べた。その結果、RNAiを行ったシロイヌナズナの花では、コントロール個体の花に比べて雄しべの数が減少し閉鎖花様の表現型を示すことがわかった。このことは、SBP-box遺伝子が閉鎖花形成遺伝子として重要な役割を担っていることを示唆している。
また、アブラナ科における閉鎖花の進化過程を調べるために、アブラナ科の閉鎖花植物であるコカイタネツケバナとハリナズナの分子系統学的解析を行った。その結果、アブラナ科における閉鎖花が、独立に複数回進化していることが明らかなとなった。また、両種は系統的にことなるにも関わらず全く同じ閉鎖花表現型を示すことから、閉鎖花進化に同じ遺伝子が関わったと推察された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] エコゲノミクス:ゲノムから生態学的現象に迫る2007

    • Author(s)
      森長真一
    • Journal Title

      日本生態学会誌 57・1(印刷中)

  • [Journal Article] 花の適応進化の遺伝的背景に迫る:「咲かない花」閉鎖花を例に2007

    • Author(s)
      森長真一
    • Journal Title

      日本生態学会誌 57・1(印刷中)

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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