2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造化された合金の相変態に関する研究(新しい機能性合金の創製)
Project/Area Number |
04J03517
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
矢部 洋正 東海大学, 開発工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノ構造化 / メカニカルアロイング / 非平衡 / 水素吸蔵合金 / 磁性合金 / 結晶合金 / ボールミル / バルクメカニカルアロイング |
Research Abstract |
Pd-Fe合金は非磁性元素と磁性元素の組み合わせであるが、ΔH_<mix><0であるにも関わらず、Pd、Feとも互いにほとんど固溶しない。これは状態図上、中間組成に熱力学的に非常に安定な金属間化合物相が存在するためである。メカニカルアロイング(MA)により過剰なエネルギ状態になったPdとFeは互いに固溶し、Feリッチ側では30at.%Pdまでb.c.c.構造を示し、Pdリッチ側では60at.%Feまでf.c.c.構造を示した。また、格子定数はPd濃度と共に増加傾向をしめるが、b.c.c.相とf.c.c.相の境界では不連続となった。さらに飽和磁化に関してはPd濃度が増えるにつれて減少していく傾向が示されたが、Pd_<90>Fe_<10>組成においても強磁性相の存在を示唆する結果が得られた。 さらに、従来のボールミリング(MA)は微細粉の合金粉末が得られるため、ハンドリング等に細心の注意が必要である。一方、新しいナノ構造化プロセスであるバルクメカニカルアロイング(BMA)は、繰り返し塑性加工を閉ざされた金型中で行うため、合成されたナノ構造合金はバルク体として回収できるため、取り扱いが容易であり、工業化が期待できる。本研究では軽量水素吸蔵合金としてのMg-Al合金の合成にBMAを選択し、Mg_<17>Al_<12>の合金組成における合金化過程、および水素吸蔵特性を評価した結果、1500回以上のBMAプロセス(約4時間)によりMg_<17>Al_<12>単相が得られた。合成された合金は250℃で約3.2wt.%の水素を吸放出した。PCT曲線による250℃での吸蔵および脱蔵のプラトー圧は約0.5気圧であった。
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Research Products
(5 results)