2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬症2型原因遺伝子産物、ALS2の分子機能解析と制御因子の同定
Project/Area Number |
04J03521
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大友 麻子 東海大学, 医学研究科, DC1
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 筋萎縮性側索硬化症2型 / Rab5 / エンドソーム / ALS / ALS2 |
Research Abstract |
ALS2原因遺伝子産物、ALS2は、細胞内において低分子量Gタンパク質Rab5を活性化し、細胞内物質輸送に関わる因子であることが報告されている。しかし、HeLa細胞内にALS2全長を過剰発現させてもエンドソームヘの局在頻度は低く、その融合は促進されない。一方、そのN末端に存在するRLDドメインを除いたALS2のC末領域は、エンドソームに局在するとともにエンドソーム融合を顕著に促進する。このように、ALS2はエンドソーム上に局在し、Rab5を活性化する活性化型と、細胞質に留まる不活性化型が存在し、その活性化および不活性化は、何らかのシグナル伝達因子によって制御されているものと考えられた。そこで、本研究は、ALS2の活性化・不活性化機構に関わる因子を同定することを目的として、ALS2に結合する因子の検索をYeast Tow Hybridスクリーニング法を用いて行った。ヒトALS2の断片を発現するbaitコンストラクトを20種類作製し、ヒト成人脳ライブラリーに対してスクリーニングを行った結果、複数のALS2結合候補因子のcDNAクローンを取得することに成功した。これらクローンの持つcDNAの配列についてデータベース検索を行ったところ、そのうちの2クローンはALS2自身のcDNAであることが明らかとなった。次に、免疫沈降方によってALS2同士の結合を確認したところ、ALS2同士が細胞内においても結合することが明らかとなった。また、ALS2の分子間結合能を消失させた変異体においては、Rab5活性化能が失われるとともに、エンドソームヘの局在も損なわれることが明らかとなった。よって、ALS2同士の結合はそれ自身のRab5活性化能および局在決定に必須であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)