2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬症2型原因遺伝子産物、ALS2の分子機能解析と制御因子の同定
Project/Area Number |
04J03521
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大友 麻子 東海大学, 医学研究科, DC1
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 筋萎縮性側索硬化症2型 / Tab5 / ALS / ALS2 / エンドソーム / 神経細胞 / EGF |
Research Abstract |
ALS2タンパク質機能解析を目的として、ALS2モデル動物(Als2ノックアウトマウス)から初代培養繊維芽細胞および初代培養海馬神経細胞を樹立し、同腹の野生型マウスから樹立したそれぞれの細胞との細胞表現系を比較した。繊維芽細胞を用いて、Alexa-488標識EGFの細胞内輸送について観察したところ、Als2欠損マウスでは野生型マウス由来繊維芽細胞に比べ、EGF陽性のエンドソームの融合・輸送遅延を生じることが明らかとなった。また、Als2欠損マウスと同腹野生型マウス由来の初代培養海馬神経細胞を用いて、培養2日後(DIV2、Stage3)のそれぞれの細胞の幼若軸索の長さを測定した。その結果、Als2欠損マウス由来神経細胞の幼若軸索は、同腹野生型マウス由来神経細胞の幼若軸索と比較し、有意に短いことが明らかとなった。Als2の欠損によって、繊維芽細胞においてエンドソームの融合・輸送遅滞が観察されたことから、ALS2は細胞膜輸送・物質輸送の数ある物質輸送のステップの中で、エンドソームの融合・輸送に関わることが示唆された。また、神経細胞において軸索伸長に異常をきたすことから、ALS2の担う細胞内膜輸送・物質輸送等の機能は軸索伸張や形態形成に関わるものであると考えられた。加えて、ALS2活性化制御因子の同定を目的として行ったYeast Two-Hybridスクリーニングによって、ALS2結合候補因子として前年度に報告したALS2自身以外に、新たに6種類の結合候補因子を同定した。そこで、免疫沈降法を用いてそれぞれの候補因子とALS2との相互作用の確認を試みたが、すべての候補因子とALS2の特異的相互作用は認められなかった。
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Research Products
(1 results)