2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03608
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
片桐 大輔 千葉大学, 大学院・医学薬学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タンパク質立体構造 / 立体構造予測 / sheet / helix / 分子動力学 |
Research Abstract |
今年度の研究計画において、タンパク質立体構造を予測するプログラムの骨格を作成すること、プログラム中に用いる分子動力学計算のパラメータを新規に作成すること、CASPと呼ばれるタンパク質立体構造予測コンテストに出場することの3つが達成目標であった。 一つ目のプログラムの作成について、アミノ酸配列のみを入力ファイルとして自動的に構造予測を行った後、PDB形式の立体構造を自動的に出力させるプログラムを作成し目標を達成した。 二つ目の新規パラメータの作成について、20種類のアミノ酸各々について量子化学計算を行い新規のパラメータを得た。このパラメータを用いてβ-sheet構造をもつ17残基ペプチド(PDB code:1LE3)と、α-helixとstrand構造をもつ20残基ペプチド(PDB code:1L2Y)の立体構造予測を行った。予測構造とPDBに登録されている構造を、主鎖のCαについてのRMSDによって比較したところ、1LE3では4.043Å、1L2Yでは1.635Åであった。1LE3についてはC末端側のわずか2残基が構造の違いを示しており、この末端を比較対象から切り離すとRMSDは1Å台であった。またDSSPプログラムを用いて、両構造の2次構造の類似性比較も行った。1LE3では17残基中12残基で、1L2Yでは20残基中13残基で2次構造が一致した。同様にして他のペプチドやタンパク質について立体構造予測と評価を行ったが、残基数が増加するにしたがって予測の精度が減少していった。今後は残基数の大きなものについても予測の精度が高くなる様に、パラメータの改良を行っていく予定である。 最後にCASPについて、6月からのコンテストに参加し、12月にイタリアで開かれたCASPとSAC-CASPの両学会において研究成果の発表をおこなった。
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