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2005 Fiscal Year Annual Research Report

乳児の聴覚情報処理の発達と言語機能の発現;事象関連電位による研究

Research Project

Project/Area Number 04J03621
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

工藤 紀子  千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords乳児 / 事象関連電位 / 言語 / 発達
Research Abstract

音列をまとまりごとに区切る分節化は,乳児の言語獲得にとって非常に重要な要素である。発話音列中に含まれる様々な手がかりをもとに,音列をまず単語ごとに区切ることで,ことばを獲得していくと考えられる。これまでに振り向き選好法を用いた行動実験により,およそ生後7〜10ヶ月頃の乳児は,ストレスパタン,音韻規則などの手がかりを用いることができるとの報告がある。
本研究は,遷移確率を統計的に学習し,音間の遷移確率の違いを手がかりに音列を分節化する能力に着目した。Saffranら(1996)の行動実験より,7ヶ月の乳児で統計的学習による分節化することができることは知られているが,果たしていつ頃からできるようになるのか,より客観的に検討するために,生後3日以内の新生児を対象に脳波を記録し事象関連電位を測定した。
非言語音である純音を用いて単語と呼ぶまとまりを数種類作成し,これをランダムに並べて音列を作り,数分間繰り返し聞かせた。この結果,各単語の最初の音に対してのみ,前頭部付近で陽性の電位が得られた。単語の切れ目に対する振幅の増大は,新生児が,遷移確率をもとに統計的学習を行い,分節化によって連続音声に含まれる単語を検出できたことを示している。すなわち,統計的学習能力が,言語に非特異的であり,かつ生得的な能力であることを示唆する結果であるといえる。
成人で行った同様の実験では,この電位は陰性に生じていた。成人と乳児で反対の極に反応が現われた本結果は,脳の未成熟性に起因するものであると考えられる。今後は,10ヶ月までの発達を追ったデータを解析し,発達に伴う脳活動の変化を検討する。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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