2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03661
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮内 良広 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光和周波発生 / 光第二高調波発生 / 顕微法 / 澱粉粒子 / 半導体 |
Research Abstract |
本研究では観測時間が短く高い分解能を有した高性能の光和周波発生(SFG)顕微鏡を開発し、生物学や表面科学などのあらゆる学問領域で有用であることを示すことを目的としている。本年度は以下の研究を行った。 1.光パラメトリック発生/増幅器やイメージインテンシファイア付きCCDカメラ、光学顕微鏡などを用いてSFG顕微鏡システムの開発を行った。特に大気圧下でのSFG顕微鏡の開発では、落射型顕微鏡のステージとして試料と参照試料のZnSと交互に測定できるような一軸ステージを用い、PCによって制御した。この参照試料と比較可能なシステムを導入することにより入射光強度のゆらぎを補正した定量的な測定が可能となった。 2.このSFG顕微鏡のデモンストレーションのために水草の一種であるケナガシャジクモを試料として用いて、澱粉粒子が多く含まれている造卵器付近のSFG顕微像観察を行った。その結果、澱粉粒子を多く含んだ造卵器だけから強いSF光が発生した。そこで、C-H伸縮振動スペクトル全域(波数2750〜3100cm^<-1>)にわたってSF像を観察し、SF光強度の波数依存性を求め、これを糖類のSFスペクトルと比較した。その結果、アミロペクチンのSFスペクトルと一致し、その主成分はアミロペクチンであることが分かった。 3.また超高真空下でのSFG顕微鏡システムを構築する前段階として、可視光のみを入射光とした技術的に簡単な光第二高調波発生(SHG)顕微鏡を構築し、これを用いて水素終端Si(111)の観察を行った。紫外光をH-Si(111)面に照射し、これをSHG顕微像観察したところ水素脱離後にできたダングリングボンドに起因する電子準位と入射光が共鳴して強いSH光が発生した。このことによって、水素脱離の空間分布をSHG顕微鏡によって初めて観察することに成功した。
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