2005 Fiscal Year Annual Research Report
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04J03661
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮内 良広 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光和周波発生 / 光第二高調波発生 / 顕微法 / 澱粉粒子 / 半導体 |
Research Abstract |
本研究では観測時間が短く高い分解能を有した高性能の光和周波発生(SFG)顕微鏡を開発し、生物学や表面科学などのあらゆる学問領域で有用であることを示すことを目的としている。本年度は以下の研究を行った。 1.SFG顕微鏡を用いて水草中の澱粉粒子の組成を非破壊で分析することに成功した。C-H伸縮振動スペクトル全域(波数2750〜3100cm^<-1>)にわたって水草中の澱粉粒子のSF像を観察し、SF光強度の波数依存性を求め、これを糖類のSFスペクトルと比較したところ、主成分がアミロペクチンであることを非破壊で確認できた。この研究報告をJournal of the Optical Society of America Aに投稿し、受理された。 2.光第二高調波発生(SHG)顕微鏡を用いて水素終端Si(111)面からの水素のレーザー誘起熱脱離の観察を行った。紫外パルス光をH-Si(111)面に照射すると光照射熱によって水素脱離とともに表面融解が起こることがよくある。SHG顕微像観察によって、これら双方の分布を観察し、それらの像を分離することに成功した。このことから表面融解の水素脱離への影響を調べることができると考えられる。この研究報告をe-Journal of Surface Science and Nanotechnologyと雑誌「真空」に投稿し、掲載された。 3.SFG顕微鏡のデモンストレーションとして水素終端Si(111)面に重水素を部分吸着させた表面のSFG顕微像観察を行う予定であり、そのためのシステムの改良を行った。超高真空チャンバーに重水素ランプ、水素クラッカーなどを取り付け、長距離顕微鏡に光路の微調整ができる機構を取り付けた。また、ポンプ-プローブ法を用いて時間分解のSHG顕微像を撮るためのシステム開発を行った。
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