2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03695
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
玉井 一規 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ケイ酸 / イネ / トランスポーター / 形質転換 / ストレス耐性 |
Research Abstract |
イネは典型的なケイ酸集積植物として知られているが、その集積機構やそれに関与する遺伝子についてはまだ明らかにされていない。本研究では根によるケイ酸の吸収に関与する遺伝子を同定するためにすでに単離した二つのケイ酸吸収欠損突然変異体(lsi1、lsi2)を用いて、ポジショナルクローニングを行った。その結果、lsi1の原因遺伝子(Lsi1)は2番染色体に、lsi2の原因遺伝子(Lsi2)は3番染色体に座乗していることが明らかとなった。二つの原因遺伝子の塩基配列を野生型と変異体で比較した結果、いずれの遺伝子ともに変異は一塩基置換が原因となる一アミノ酸置換に起因することが明らかになった。Lsi1遺伝子の全長cDNAは1409bp塩基、249個のアミノ酸からなっており、Lsi2遺伝子の全長2085bp塩基、472個のアミノ酸をコードしていた。またこれらの遺伝子は膜タンパク質をコードすることが予測された。次にLsi1遺伝子の機能を明らかにするためにRNAi(RNA interference)法を用いて、機能型である日本晴のLsi1遺伝子機能を抑制した。その結果、RNAi処理を行った株のケイ酸吸収はRNAi未処理の株より有意に低下した。これらの結果より、Lsi1遺伝子はケイ酸吸収を司る遺伝子であることが明らかになった。次にLsi2遺伝子の機能を明らかにするために変異体lsi2にLsi2遺伝子を導入し、相補性試験を行った。その結果、遺伝子を導入した変異体ではケイ酸吸収能が回復した。これらの結果より、Lsi2遺伝子もケイ酸吸収に関連する遺伝子であることを明らかにした。
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